国民投票法案/審議徹底し会期内成立を | 世界日報サポートセンター

国民投票法案/審議徹底し会期内成立を

 衆院憲法調査特別委員会は、今週から憲法改正手続きに必要な国民投票法案について論点整理を行う。自民・公明の与党と民主党との協議と併せて審議を徹底し、法案策定と会期中の成立に向けて積極的に取り組んでほしい。

投票権の付与年齢で議論


 憲法に改憲規定がありながら、改憲手続きを取り決める法律が存在しないことは異常なことだ。憲法を必要に応じて改正するため、国民に投票権を付与することは不可欠なことである。


 また、国会議員が憲法改正案を審議する委員会、同改正案の提出要件、委員会の定足数や表決方法など具体的な取り決めも必要になる。こちらは国会法の改正が必要だが、国民投票法案と同時並行で検討されるべきである。


 今国会では、予算案の年度内成立が確実なため、焦点は後半国会の重要法案に移っている。その際、対決基調で展開した与野党関係を見直す必要がある。


 ここは国家の大計のために与野党が協力し合う姿勢が肝要だ。与野党が真摯(しんし)な協議を重ねることによって国民投票法案を策定し、民主党も従来の対案路線に戻ることによってポジティブな存在感を示していくべきだ。


 衆院では、五年間の憲法調査会審議を通じ最終報告をまとめた自公民の信頼が基盤となって、憲法調査特別委を昨秋に設置した。この委員会で国民投票法案など改憲手続きに必要な法整備の立法を行うことになっている。この作業をこれ以上遅らせてはならない。


 論点整理では、民主党が投票年齢を十八歳以上と主張していることから、公職選挙法規定の二十歳以上の投票年齢との兼ね合いが問題となる。これは憲法九六条の改憲規定には、国会で発議された改憲案を国民が承認する方法として、国民投票と国政選挙の際の投票という二つの方法が書かれているからだ。


 国民投票の時は十八歳以上、国政選挙の際の投票は二十歳以上という不統一は考えにくい。だが、同時に民主党の主張は公職選挙法にも連動する可能性もあり、公職選挙法規定の選挙権が十八歳に引き下げられることにつながることも視野に置いた議論になる。


 十八歳といえば高校三年生だ。この年齢で憲法の内容の是非や国政の判断を委ねるのは尚早だろう。十八歳から投票権を与えることは慎重であるべきで、当然、その是非には議論が起ころう。


 一方、投票年齢十八歳に慎重な自民党の船田元・憲法調査会長は、国民投票法本則には投票年齢二十歳、公職選挙法の選挙年齢が十八歳に引き下げられた時に国民投票の投票年齢も十八歳に引き下げるという付則を付けることを提案している。


 民主党はこれまで、若年層が投票権を持つほど自党に有利と分析して、十八歳選挙権を主張した経緯がある。だが、昨年の総選挙で小泉首相や「刺客」候補に群がった高校生たちの様子や、今国会での偽メール問題の体たらくなどを踏まえれば、民主党に逆風になっても不思議ではない。要は、選挙に有利か不利かで投票年齢を考えるべきではないということだ。



与野党は実のある議論を


 国民投票法案の論点は、改憲案の国会発議から投票までの期間の長さ、投票までの改憲運動、あるいは反対運動の在り方、マスコミの報道の在り方など、幾つかある。憲法改正をにらみ、民主党が実のある議論を与党と展開し、切磋琢磨(せっさたくま)することで党勢を挽回(ばんかい)することを期待したい。速やかな法案成立を望む。


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